それは僕達の奇跡① 〜バカ、上京〜
10/7に、我が母校九州大学伊都キャンパスにて九大祭が開催された。
台風の影響が危ぶまれるなか、1日短縮されたとはいえ無事に学祭が出来て本当によかったと思う。
卒業しているながら、この学祭、特にYが絡んでいる企画にはなにかと私も携わることが多かった。
結果色々な思い入れが出来たので備忘録として記録しておこうと思う。
Yは(もう特定待った無しだが)学祭1日目で、ステージ企画のコスプレコピーユニットにてリーダーをしていた。
私は昨年メンバーで、今年は衣装製作を担当させて貰っていた。
前の記事を覚えている方がいらっしゃるだろうか。
話はそこに遡る。
13人分の衣装を燃やしてしまったYは、途方に暮れていた。
その地点で残り日数は約14日、うち6日は私が転職先の研修のために福岡に居ない。
絶望的な状況だった。
衣装を燃やしてしまったYと、あろうことか漂白剤をつけていた雑巾バケツをおもっくそぶっかけて無事な衣装までダメにした私は、2人合わせても真人間0.8人分の頭脳を雑巾よろしく絞りきって、苦肉の策を考え出した。
名付けて【なっつん東京に研修行くんだしどうにかアキバとかブクロとかで衣装調達しよう計画】である。
ちなみにこの地点で衣装のアテなど皆無、アキバとかブクロとか言うけど行ったことはないし雰囲気で発言している。
ただ、なんとなく私たちは「東京いけばどうにかなるんじゃね?ほらワイらオタクのメッカやん?あのへん」みたいなテンションで話をしていた。
Yがリーダーであるこのユニットに参加したメンバーは全員気が狂っている。
そんな見切り発車で私は上京することになった。
キラキラ女子しかいない研修を終え、とてもじゃないけどコスプレ衣装の調達に行きますなんて言えなかった私は「ともだちとアポ〜」と嘘をつき(あとで話してわかったけど この同期メッチャいい人でぜんぜん隠す必要なかった)そそくさと池袋へダッシュする。
コスロードなるものに一縷の望みをかけ、夜の東京を全力疾走する私。
池袋はすごいところだった。
『普段パンピーの中に混ざっていたらギリわからんけどなんとなく隠しきれてない顔のいい女オタクの概念』が街を歩いていた。
私がまさにそれ。
多分銀座でキラキラ同期とご飯食べてたらギリバレないくらいの陰キャ女オタク。
今すぐ消えてなくなりたい。
そんな圧倒的同族嫌悪に陥りながらどうにかコスプレショップにたどり着く。
結論から言うと、衣装はあった。
ただひとつ問題があった。
10人分以上ある服を、私は持ち帰れない。
爆速で福岡に送り返さなきゃいけないけど、送料もバカ高い。
完全に私とYくんというバカをバカにしている価格だ。バカなのが悪い。反省しろ。
Yから電話がきたのはそんな時だった。
顛末をすべて話すと、Yは明るくこう言った。
「どうせそんな値段するならおれが空のスーツケースもって東京いこっか?」
本当にバカ。
数時間しないうちに、「チケットとった✌️」というLINEが来て、航空機代という犠牲と引き換えにバカは東京にやってきた。
〜②に続く〜