アポロで買収される女の話
少し更新が途絶えてしまった。
私はまだ、生きている。
何をしていたかというと、彼氏Yのために女装コスプレ衣装を作っていた。
何度か言及したことのあるオタサー活動の一環だ。
私は実をいうとちょっと裁縫が出来るので、Yとその愉快な友人達の衣装製作を手伝わせていただけることになった。
それは別に問題なかったし、むしろ嬉しかったんだけど、2日前(ちょうどブログ更新できなくなったあたり)から進捗が芳しくなかったのだ。
……Yがマジで邪魔ばっかりする。
彼に悪意はもちろんない。というか彼に悪意という感情はない。なぜならいい奴なので。
しかしYは壊滅的なバカなので、
裁断済みの布を真っ二つに裁断するわ
小さなパーツをなくすわ
縫製済みのパーツを分解するわ
本当にろくなことをしない。
少年漫画の嫌われるヒロインそのものである。良かれと思って敵地に飛び込んで主人公たちの手間になるアレ。
おかげで進捗が2進3退、全くまともに作業が進んでいなかったのである。
これは、型紙を渡して「この通りに二枚この布を裁断してね、おもて面はこっちだよ」と完璧な指示をしたにもかかわらずYが錬成していた型紙とは全然違う謎の布である。
腹が立ったので縫い合わせて袋にしてやったら顔を書いて「おさかな!」とキャッキャ喜んでた。3歳?
そんなこんななうえに当のサークル活動において連絡の行き違いで大きな手違いが起こり、昨日の地点でかなり製作スケジュールの炎上が決定的になってしまった。
これに関してはもうどう擁護してもYが完全に悪いし割りを食うのは私なんだけど、それにしたって少しイライラして大人気ない行動をしてしまった。
Yに、「私に何か言うことはないの?」と詰め寄ってしまったのだ。
端的に言うとごめんの一言が欲しかった。
それだけあればどうにか折り合いをつけてやってやろうと思った(えらそうだけど)。
でも期待した答えは返ってこなかった。
Y「衣装作ってえらいね!」
私「は?」
Y「あっ違う!ありがとう!!」
私「…」
Y「がんばれ!」
なんかもう毒気を抜かれてしまった。
そんなYでも、私が白眼をひん剥いて徹夜作業をしていたら、流石に申し訳ないと思ったらしい。
Yは私と喧嘩をすると毎回アポロを買ってくる。
これは私が以前喧嘩した時、
「アポロ買ってきたら許してあげる」
などと可愛く言ったせいだ。
アポロで許してくれる女だと思われている。
だから、昨日スーパーに置いてる特大アポロとマーブルを買ってこられた。
食えない。つらい。
思わず
「おやつなんかいいから私を大事にしてよ!」
と、これまたなんか愛を受けられなかったお嬢様キャラみたいなことを言ってしまった。
アポロは美味しかった。
現実に戻りたい。